昔、「おんたけ池」は旅人の憩いの場となっていた。池の辺にはあちこち広い木陰ができ、大きなトチノキの下には湧き水もあって、旅人の疲れを癒していた。ある日盛りの最中、殿様の一行がこの池に通り掛かった。暑さで駕籠の中の殿様も供の者もほとほと参っており、その上殿様には鼻の上に大きなイボがあり、こんな時には余計に不愉快に思われた。と、水の流れる音を聞いた殿様は駕籠を止め、見ると旅人が涼しそうに木陰で休んだり、池では気持ちよさそうに水を跳ね上げたり、切り株の上に足を乗せたりして疲れを取ったりしていた。 /他